サムソン・フラットから

西風に追われて

12.880ヘクタールを燃えつくした

山火事

―― 一週間後、突然降り濯いだ大雨によって

炎は消えた

わが友ジョンの故郷(ふるさと)グメラカに

古い傷跡のような

一群の黒い林を残して・・・

今は静まりかえる　雲ひとつない天に

屹立する　数百本の焼けこげた木

それは、”黒い林”と呼ぶのにふさわしかった

白昼の天に　黒い幹は

りんとして鋭く

木と木の間の空は

白金(プラチナ)のように気高く

まぶしかった

それから　二、三ヶ月後

黒い林の所々に　沸き出るような

緑の若い葉を見た

黒い木の　つややかな緑色の血液が

陽光にきらめいていた

ひそかに　還ってきた

木霊のように――

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